OUとGPO

OU (Organization Unit)について

ユーザー,

グループやコンピュータなどのリソースをオブジェクトと呼ぶ。これらのリソースをまとめて管理するためのオブジェクトがOU。 | このOUは、実際には、Active Directoryのオブジェクトを格納する構造体である、コンテナの一種。

コンテナの種類は、以下の通り。

  1. OU
    • 管理者が自由に作成可能
    • グループポリシーをリンクできる
    • 下位にOUを作成して階層構造にできる
    • 特定のユーザ/グループに管理を委任できる
  2. デフォルトのコンテナ
    • ユーザーでは作成できない
    • グループポリシーもリンクできない
    • 下位にOUを作成して階層構造することができない
デフォルト設定では、ユーザオブジェクトはUsersコンテナ、コンピュータオブジェクトはComputersコンテナに格納されるなどする。
できる限り、ユーザオブジェクト用OUなどを作成し、作成したOUに格納されるように設定を変更する方が柔軟な設計が可能になる。
ただし、ドメインコントローラだけは、**もともとの “Domain

Controllers” OUから移動しない**ことが推奨。(Default Domain Controllers Policy というグループポリシーが適用済みのため。)

OUの設計について

  • 分けるべきもの
    • オブジェクトの種類: ユーザ/コンピュータ/グループ/サーバ...
    • 管理者がことなる部分
  • 分けるべきでないもの
    • 変更が頻繁な(部門など)組織単位
      • 分社単位など、変更の少ない単位で分けるのはあり。この場合、各組織単位で分けた中で、一般的なOUを作成する

PowerShell: OUの追加・削除

# OU追加
New-ADOrganizationalUnit -Name "01ユーザ" -Path "DC=org01,DC=itd-corp,DC=JP"

# OU削除
Remove-ADOrganizationalUnit -Identity "OU=01ユーザ,DC=org01,DC=itd-corp,DC=JP" -Confirm:$false

# デフォルトコンテナの変更
redirusr "OU=01ユーザ,DC=org01,DC=itd-corp,DC=JP"
redircmp "OU=03コンピュータ,DC=org01,DC=itd-corp,DC=JP"

サービスアカウントの管理

サービスを実行するアカウントとして、独自に生成したユーザーで行う場合、アカウント管理が煩雑になりがち。
Windows Server 2008までには、MSA(Managed Service

Account)という機能があり、パスワード更新の処理が自動化されていたが、複数のコンピュータでアカウントを共有できなかった。 | Windows Server 2012から、gMSA(group Managed Service Account) という機能へ拡張され、サービスアカウントの認証を統一できるようになった。

gMSAの展開手順

TODO: 手順の追加

  1. KDSルートキー作成
  2. gMSAの作成
  3. gMSAのサービスへの割り当て

グループポリシーとGPO(Group Policy Object)

グループポリシー

ドメインに参加しているクライアントコンピューターの環境設定やセキュリティ設定を管理する機能。

GPO

クライアントコンピューターに適用するポリシーをまとめたオブジェクト。
コンピューターごとに定義するローカルGPOというものもあるが、以後単にGPOと言った場合には、Active

DirectoryベースのGPOを指すことにする。

GPOの適用と継承関係

  1. GPOはサイトやドメインなどのコンテナに割り当てる(これをリンクするという)
    • リンクされると、そのコンテナに属する全てのクライアントコンピューターやユーザーにGPOが適用される
  2. GPOは継承される
    • あるコンテナにGPOをリンクすると、下位のコンテナにもGPOが適用される
    • あるコンテナに適用されるGPOは以下で決まる(継承関係ではよく見る普通のやつ)
      • 『継承ツリーの中で、自分より上位で、自分に最も近いGPO』

GPOの設定項目

GPOを設定するには、以下の2種類の機能を理解する必要がある。

  1. ポリシー
    • 設定項目のこと
    • 基本設定よりも優先される
    • 新しいポリシーを作成する難易度が高いため、基本は用意されているポリシーを利用する
    • 以下の項目がある
      • ソフトウェアの設定
        • ソフトウェア配布を行うための設定
      • Windowsの設定
        • セキュリティ設定やログオン時のスクリプトなど
        • フォルダリダイレクトの設定もここ
      • 管理用テンプレート
        • レジストリベースのポリシー設定
        • 管理用テンプレートファイルを追加して項目を増やすことが可能
  2. 基本設定
    • Windows Server 2008より前のOSで利用するには、グループポリシーの基本設定クライアント側拡張機能という更新プログラムを適用する必要がある
    • 柔軟なグループポリシーを設定しやすい
管理用テンプレートについては、以下の2つのタイプがある。
利用できる状況であれば、ADMXタイプのテンプレートを利用するようにしよう。
  • ADMタイプ : GPOごとにファイルがコピーされるため、パフォーマンスに劣る
  • ADMXタイプ : Windows Server 2008で利用可能。普通はこちらを利用する。作成手順は以下の通り。
    1. セントラルストアを作成
    2. デフォルトポリシーのコピー
    3. ADMX管理テンプレートを以下に追加
      • %SystemRoot%SYSVOL\domain\Policies\PolicyDefinitions 以下
      • %SystemRoot%SYSVOL\domain\Policies\PolicyDefinitions\ja-JP 以下

GPOの更新方法

GPOはデフォルトでは、クライアントコンピュータは90分に1回、ドメインコントローラは5分に1回の頻度で更新される。

  1. (クライアント側)手動更新

    # 更新
    gpupdate /force
    # 更新状況確認
    gpupdate /R
    
  2. リモートからの更新

    事前に、スターターGPOを使い、更新対象のコンピュータのWindows FWフィルタを設定しておく必要がある。(つまりこの作業は最初から行っておく)

GPOの運用

  1. GPOは定期的にバックアップを取得しておく
  2. GPOを変更する場合影響が非常に大きいため、グループポリシーの結果機能を利用するなどして、適用して問題ないことを確認する